ザ・ロイヤルファミリー
ミステリー以外で、久しぶりに面白い小説を読んだ。競馬が好きだから、よけいにそう思ったのかもしれない。まず、出版元の新潮社にある内容説明を掲載。〝継承される血と野望。届かなかった夢のため――子は、親をこえられるのか? 成り上がった男が最後に求めたのは、馬主としての栄光。だが絶対王者が、望みを打ち砕く。誰もが言った。もう無理だ、と。しかし、夢は血とともに子へ継承される。馬主として、あの親の子として。誇りを力に変えるため。諦めることは、もう忘れた――。圧倒的なリアリティと驚異のリーダビリティ。誰もが待ち望んだエンタメ巨編、誕生。〟競馬好きにはまさしく、読みたくなる紹介だった。年明け早々に購入したものの、例によって積んどくだけで時が過ぎ、やっと読んだのが、緊急事態宣言の発布された日だ。