隠蔽捜査
一冊の本と出合って、その作家が今まで以上に気になりだすことがある。今野敏という作家の「隠蔽捜査(いんぺいそうさ)」という本がそうだ。手元にあるのは文庫本で、奥付には平成20(2008)年2月1日発行とある。それまでにも今野敏の小説は何冊も読んでいるが、ここ十年ちょっとのあいだで、この作家の既刊本を手当たり次第に読んだ。好きな作品もあれば、そうでないものもある。この「隠蔽捜査」シリーズ以外では、横浜みなとみらい署シリーズと任侠シリーズが特に好きだ。
一冊の本と出合って、その作家が今まで以上に気になりだすことがある。今野敏という作家の「隠蔽捜査(いんぺいそうさ)」という本がそうだ。手元にあるのは文庫本で、奥付には平成20(2008)年2月1日発行とある。それまでにも今野敏の小説は何冊も読んでいるが、ここ十年ちょっとのあいだで、この作家の既刊本を手当たり次第に読んだ。好きな作品もあれば、そうでないものもある。この「隠蔽捜査」シリーズ以外では、横浜みなとみらい署シリーズと任侠シリーズが特に好きだ。
最近、バスケットボールの話題がニュースで取り上げられている。ワイドショーでも連日、大騒ぎだ。たった一人の選手が、この原動力である。八村塁。1988年2月8日生まれ。父親がベナン人、母親が日本人。身長203㎝。宮城県の私立明成高校を経て、アメリカのゴンザカ大学に留学。運命の日がおとずれたのは2019年6月22日――八村塁は、NBAドラフトでワシントン・ウィザーズから一巡目9位指名を受けた。これがどれだけすごいことか。マスコミの報道を見れば、よくわかるだろう。
本棚に、なんとも不思議なタイトルの本があった――「秘伝 大道棋」。このタイトルだけで何の本かわかる人は、かなりの将棋好きだろう。本の奥付を見ると、平成2年7月30日 第1刷発行、平成4年4月11日 第5刷発行、とある。平成4年、つまり1992年以降に買った本だ。大道棋とは、大道でやる詰将棋のことである。お客さんに詰将棋を出題して、解けたら景品を与え、間違ったら「教授料」をいただくという商売。
ひとりぼっちのハワイ2日間。1977年のことだ。楽しい思い出はひとつもなかった、とずっと思い込んでいた。ところが、1987年に発売された、片岡義男「頬よせてホノルル」を読んだとき、その思い出が楽しいものに変わった。その中のひとつの短編「ラハイナの赤い薔薇」に、次の文章を見つけたからだ。引用する。
浅井さんのことを書いていて思い出した本がある。それが、太田裕美の「ニューヨークなんて怖くない」。ところが、この本も本棚にない。家人の実家に預けてある段ボールに入っているのだろうか。自分が編集した本の中でも気に入っている一冊だけに、とたんに気になりだしてしまった。太田裕美の本を手掛けたのは、1976年発売のフォト&エッセイ「まごころ」だ。本人に書く時間などなく、ライターが原稿を書いたのだが、マネージャーが気に入らない。ほかのライターに頼む時間もお金も、余裕がない。ひょうなことから、ゴーストライターとしてデビュー(?)することになってしまった。出版社の社員だから、もちろんノーギャラ。そんな彼女がタレント活動を休止して、ニューヨークへ8ヵ月留学していたころのことを書いた「八番街51丁目より」が、第4回ニッポン放送青春文芸賞優秀賞を受賞した。
幻の写真集「ビートルズ 東京 100時間のロマン」(中部日本放送刊)は、ある先輩に貸したが、ついに返してもらうことなく、彼は旅立ってしまった。本とお金は、人に貸したら返ってこないと思わないといけない。本棚には、浅井慎平の本、主に写真集が、何冊もある。いちばん気に入っているのは「WINDS 風の絵葉書」という写真集だ。1981年の発売。
ビートルズを知ったのはいつだっただろうか、中学生のときだったと思うが、スチュワーデスをしていた従姉弟からLPをもらった。1枚目のアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」を調べてみると、イギリスでの発売が1963年4月26日なので、おそらく中学2年生のことだろう。というくらい、正直なところ、すごく印象に残っていたわけではない。ビートルズを意識しだしたのは、1966年の日本公演のときからだ。
小学校4年生になって、野球を始めたばかりのころ、叔父に連れられて後楽園球場(いまの東京ドーム)で、巨人対国鉄(いまのヤクルト)戦を見た。初めてのプロ野球観戦だ。調べてみると、1959年4月26日のこと。この日のことを鮮明に覚えているのは、巨人に入団した王貞治選手が初ホームランを打った試合だからだ。まだ一本足では打っていない。公式戦で868本のホームランを打った人の記念すべき第1号――それを現場で目撃した。忘れられない思い出だ。
ある雑誌(「文藝」2019年4月増刊)で、この一文を読んだ。語っているのは、ビートたけし。この「フランス座」というのは、浅草にあったストリップ劇場。ビートたけしが芸人になりたくて、エレベーター番から始めた、と言われていたところである。著書を三冊買って、最初に読んだのは「フランス座」。一気に読んだ。出だしから、驚かされる内容である。引用しよう。
ビートたけしの本を三冊買ったと書いたが、読んだ順番通りに挙げると、「フランス座」、「キャバレー」、「アナログ」。どれも本人が「自分で書いた」と言っている小説である。三冊を三日間で一気に読んだ。書いた時期については、本人が雑誌(「文藝」2019年4月増刊)で次のように語っている。